カーネーションの歴史
イイハナ・ドットコムの『母の日 カーネーションの歴史』では、母の日のイメージとして選ばれる定番フラワー、カーネーションについて詳しくご紹介。
生産農家での生育情報や、お家で長く育てる方法、楽しむ秘訣など。
母の日の花といえばカーネーション
カーネーションは、十字架にかけられたキリストを見送った聖母マリアが落とした涙の後に生じた花という言い伝えがあります。
花言葉は、赤は「愛を信じる」、白は「私の愛は生きている」、ピンクは「熱愛」などで、母性愛を象徴しています。
まさに大切な母親に贈る花として最適です。
カーネーションを母の日に贈る歴史とその由来
母への感謝の気持ちを伝える母の日に贈るカーネーション。
母の日にカーネーションを贈る起源は、アンナ・ジャービスの働きかけでした。アンナの母であるアン・ビージャスは、南北戦争下において負傷兵のケアに尽力した人物として知られています。
また、アンは「マザーズデイ・ウォーク・クラブ」を立ち上げ、負傷兵の衛生環境の改善にも取り組みました。そして、アンの死後、娘のアンナは母をしのび、アンが教師をしていた教会で亡き母が好きだった白のカーネーションを祭壇に手向けました。そのとき、アンナは参加者にも同様に白のカーネーションを配り、その出来事が母の日にカーネーションを贈るという慣習の起源といわれています。
当初は、白のカーネーションを贈るのが始まりでした。カーネーションは、アンナが亡き母アンをしのんで白のカーネーションを贈ったことから故人への想いを象徴するものと考えられています。
それに対比させて、健在している母には、赤のカーネーションを贈る風習が提案されました。しかし、母を亡くした子どもが傷つくのではないかという意見もあり、その意見に賛同するように母の日には赤のカーネーションを贈るのが定番となっていったのです。
ちなみに、クリスチャンの間では、白のカーネーションは十字架にかけられる前のキリストとマリアを表しており、赤のカーネーションは十字架にかけられたキリストが流した血を意味しているとされています。
日本では、明治時代から大正時代にかけて教会でイベントが行われていたことが広まって母の日が伝わりました。そして、1949年頃より、日本でも5月の第2日曜日が母の日に制定されることとなりました。世界中で母の日は様々ありますが、日本の母の日はアメリカと同じ日付です。
色別!カーネーションの花言葉
母の日の贈り物として定番のカーネーションには、大きく分けて8種類の色があります。有名な色は赤、白、ピンクですが、他にも濃い赤や黄色、緑、オレンジ、青といった色があります。
そして、カーネーションの花言葉は花の色によって意味が異なります。
そのため、母の日にカーネーションを贈る際には花言葉の意味に注意して色を選ぶ必要があります。
花言葉の中には、ネガティブな意味を持つ花もあるので意味を調べてから選ぶようにしましょう。
赤色のカーネーションの花言葉
母の日の贈るカーネーションで定番のカラーは、赤色のカーネーションです。
赤色のカーネーションの花言葉は、「母への愛」「母の愛」「愛を信じる」「感動」。
やはり定番の色というだけあって、まさに母の日にぴったりの花言葉を持ちます。
どの色のカーネーションを贈るか迷った際には、赤色のカーネーションを選べば間違いありません。
赤は情熱をイメージする色ですし、大切な人への贈り物として喜ばれることでしょう。
白色のカーネーションの花言葉
白色のカーネーションの花言葉は、「尊敬」や「純粋な愛」です。そのほかに「愛の拒絶」、「亡き母をしのぶ」といったものがあります。
母の日にカーネーションを贈るようになった起源として、元々は亡き母を偲んで白色のカーネーションを贈ったのが始まりです。
愛や尊敬のポジティブな意味がある一方で、ネガティブな意味の花言葉もあるので、母の日に贈るカーネーションとしては、お母さんがご存命の場合には避けた方がよいかもしれません。
緑色のカーネーションの花言葉
緑色のカーネーションの花言葉は、「癒やし」「純粋な愛情」です。
自然を感じさせてくれる緑には、見ているだけで人に安らぎを与える色であり、リラックスさせる効果があります。また、心身のバランスを整え、人が本来持っている自己治癒力を高めるといった心理的な効果のある色です。
観葉植物を飾るように、部屋のインテリアとしても相性の良い色なので、いつも優しく穏やかな女性への贈り物としてぴったりではないでしょうか。
ピンク色のカーネーションの花言葉
ピンク色のカーネーションの花言葉は、「温かい心」「感謝」「気品・上品」「美しい仕草」です。
ピンク色は、色合いが赤色より淡く優しさが感じられ、花言葉もポジティブな意味が多く含まれています。
母の日に贈るカーネーションに赤以外の色を選びたい方には、ピンク色のカーネーションがおすすめ。母の日以外でも大切な人へのプレゼントとしても喜ばれること間違いなしです。
オレンジ色のカーネーションの花言葉
オレンジ色のカーネーションの花言葉は、「純粋な愛」「あなたを愛します」「清らかな慕情」です。
母の日への贈り物としてもおすすめですが、片思いの相手や恋人へのプレゼントとしてもおすすめです。
また、オレンジは明るくエネルギーにあふれたイメージを持たせます。そのため、物事を楽しく、ポジティブに考えるように促進してくれるでしょう。オレンジ色のカーネーションはインテリアの差し色として映えるので、部屋の片隅に置くとバランスがいいでしょう。
青色のカーネーションの花言葉
青色のカーネーションの花言葉は、「永遠の幸福」です。
珍しい色である青色のカーネーションは日本の企業であるサントリーフラワーズとオーストラリアの植物工学企業であるとの遺伝子組み換え技術による共同研究の結果、生み出されたものです。
青色の花を咲かせることはとても困難なことであり、多くの課題をクリアしなければならずないため、「開発が難しく、もし作り出せたのなら一生幸せになれる」という共同研究者たちの想いから永遠の幸福という花言葉が名付けられました。
紫色のカーネーションの花言葉
紫色のカーネーションの花言葉は、「誇り」「気品」です。
上品さやミステリアスな印象をもたらす紫は高級感と特別感を与える色です。そのため、気高い女性や義理のお母さまへの贈り物にぴったり。睡眠効果を高める効果も期待できるためベッドルームに飾るのもおすすめです。
ただ、紫色は、不安な印象を与える色でもあり、花言葉にも「気まぐれ」といったマイナスな意味も含まれているので、メッセージカードを添えて贈ると誤解を生まないで済みます。
黄色のカーネーションの花言葉
黄色のカーネーションの花言葉は、「軽蔑」「嫉妬」「友情」です。
日本で黄色と言えば、ビタミンカラーとも呼ばれ明るい印象が強い色ですが、西洋では黄色の花にネガティブな意味が含まれていることが多く、毛嫌いされます。そのため、西洋の文化でもある母の日に贈るカーネーションの色としては、避けた方が無難です。黄色が好きな女性には、カーネーションに加えて、メッセージカードを添えるのがおすすめです。
カーネーションの語源とは
ナデシコ科の植物であるカーネーションは、美しい花姿と清らかさから神にささげる花冠として古代ギリシャで使われていました。
カーネーションという名前の語源は、諸説ありますが、有力な説は2つあります。カーネーションの花の色がお肉の色に似ていることからラテン語のcarnに由来するという説とイギリスで冠を飾る花として利用されていたことから戴冠式を意味するコロネーション(coronation)がカーネーションになったという説です。また他にも、神の花を意味するDianthusという学名でも知られています。
カーネーションは、毎年花を咲かせる多年草で、地中海沿岸が原産です。多年草とは、植物の育ち方の分類で、それ以外には、一年草、二年草、宿根草(しゅくこんそう・しゅっこんそう)があります。多年草は、冬でも基本的に葉が枯れずに残り、同じ株から何度も花を咲かせます。暑さや寒さに強いので比較的育てやすいという特徴があるので、宿根草は多年草と似た性質を持っていることから多年草の一種として紹介されています。
フラワーアレンジメントやブーケで使われることが多く、現在では新品種も続々と生み出されています。
ギリシャ時代から愛されたカーネーション
カーネーションが生まれたのは旧ソ連のコーカサス地方。古く、ギリシャ時代から栽培が始まったといわれ、ギリシャ神話にも美しい娘の生まれ変わりの花として登場しています。
その名前の由来にはいろんな説がありますが、ラテン語の"肉色"(Incarnation) という、原種の色からきた説、また、シェークスピアの時代には花冠として使われたことから"戴冠"(Coronation)からきた説などが主に伝えられています。
中世に入ると、しばしば絵画や彫刻に、あるいは詩や小説の中で、その美しさが表現されるようになりました。
このように芸術、文芸作品を通してカーネーションは、古くから人々に愛されてきたようです。
オランダ船によって日本にもたらされたカーネーション
カーネーションは、その後、ヨーロッパを中心に盛んに栽培され始め、19世紀、フランスの園芸家によって、現在のカーネーションが生まれたと伝えられています。
また、20世紀には、アメリカで温室カーネーションが栽培されるようになりました。
こうして誕生したカーネーションは、徳川幕府が治める江戸時代に日本へやってきました。
オランダ船によってもたらされたため、当時、オランダナデシコ、オランダセキチクという愛称で親しまれていました。
その美しさと、ふくいくとした甘い香りから、ジャコウナデシコの和名もありました。
そして明治35年、東京の新宿御苑で日本初のカーネーションが生まれました。
遠く海を越えてやってきたカーネーションは、このような長い歴史に育まれていたのです。
進化し続けるカーネーション
こうして日本の花文化に採り入れられたカーネーションはその後、栽培農家の努力と熱意によって、新しい品種や優良品種がたくさん導入されました。そして、施設・設備の近代化が進められ、生産性も高まっていきました。
昭和47年では、栽培面積5アール以上の品種はわずかに8品種であったのが、10年後の昭和57年には37品種と大幅に増加しました。
また、カーネーションの生産額日本一の愛知県"一色町"の栽培農家では、外国の優良品種を積極的に導入しました。
昭和60年代に入ると、各地のカーネーション栽培農家は、苗供給会社を通じて、オランダをはじめとした諸外国産の優良品種を導入し、栽培するようになりました。
さらに一色町では、栽培農家自らが優良品種の育種を試みた例もあります。
昭和59年に「一色町カーネーション種苗生産組合」(メリクロンセンター)が設立され、無菌苗を大量に生産するために、茎頂点培養と呼ばれるバイオテクノロジーを導入した優良品種の育種が試みられました。
こうしてカーネーションは現在もなお、進化し続けているのです。
カーネーションの育て方・手入れ方法
最後に、カーネーションの手入れ方法について簡単にご紹介します。
切花は、水あげ、花持ちともに良いので特に問題はありません。
鉢植えは、日当たりの良い場所に置き、土表面が乾いたら水をやるようにします。
ただし、高温と湿気に弱いので、風通しがよく雨に当たらない場所で育ててください。
室内の窓辺などでは、空気の乾燥が原因でハダニが付くことがあります。防除を心がけましょう。
肥料は春から秋にかけて、2ヶ月に1回ぐらいのペースで与えます。
生育期間中は液体肥料を使用してください。
つぼみが多くつきすぎると、ひとつひとつに栄養が行き渡らなくなってしまいます。
大きな花を数輪だけを残して、他のつぼみを間引いてやることがウマく咲かせるコツです。
以上の手入れを守って、美しいカーネーションを咲かせてください!
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